2018年9月30日日曜日

”Giulietta e Romeo è un'opera popolare” ロミオとジュリエット

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」はフランスの作品です
そのイタリア版「Romeo e Giulietta ~ Ama e  cambia il mondo~」にハマり
あちこち覗いていたところ、また別のヴァージョンがあることを発見しました。
イタリアオリジナルのミュージカル「ロミオ&ジュリエット」
それが「ジュリエッタ エ ロメオ エ ウノペラ ポポラーレ」
 「Giulietta e Romeo è un'opera popolare」
やはり話の舞台となったヴェローナから公演はスタート
2007年~2008年まで上演されていました。
フランスヴァージョンと比べるとこちらの方がクラシックかつオペラ色が強い印象
まるで映画音楽の様に尊厳。
詳しい事まで調べる余裕がありませんが、”リッカルド・コッチャンテ”( Riccardo Cocciante )
という有名な音楽家の方が音楽を担当されているようです。

(”un'opera popolare”を訳すと「人気のある作品」となるのですがタイトルとしてはどう訳せば正しいのか悩みどころです。)


そして、「Ama e cambia~」のロメオとジュリエッタが肉食系カップルとするならば
こちらは草食系、というか王道の「ロミオ&ジュリエット」です。
どの曲もなかなかイタリアオペラらしい感じに仕上がっていますが
中でもこの「Tu Sei」(あなたは・・)はロマンチックで印象に残る曲。
 
(「”バルコニー”の場面」をサンレモ音楽祭で披露した時のもの)
音質は悪いですが、きれいなメロディーですね。
見た感じ、大規模に興行していたような印象を受けましたが
2008年以降やっていないんですよね。


で、その代わりに2013年にフランス発、イタリア演出(ややこしい)の
「ロミオ&ジュリエット」が上演されるわけですが、
どうせならどちらも交互にやったらいいのに、と思うのは贅沢というものだろうか・・・

(「Ama e cambia~」バージョンの”仮面舞踏会”)
この場面、結構好きなんですよねー、唄はほとんどありませんが
多分フランス版を愛する人たちにはイタリア版は結構な改変をしてしまっているが為
受け付け難い気持ちを持ってしまうかもしれませんが
そもそも全く変えたくなければ、フランス版もブロードウェイの様に現地からスタッフを招いての指導を受けるくらいしなければならないと思いますが、
その辺は割とおおらかなのでしょうか?他国でやるに当たってどれくらいの制約を受けているのか素人の私では知る由もありません。
でこれはこれ、と思って見てみると結構面白いと思うのです。

"Romeo&giulietta -Ama e cambia il mondo" ロミオ&ジュリエット

そもそもロマンチックな恋愛ものはあまり好みではないのですが
しかしそこは作詞&作曲のジェラール・プレスギュルヴィックの創る
劇中歌の魅力によるところが大きくてですね、”世界の王”、”エメ”は名曲!
主演以外の配役の唄も、どれもこれも素晴らし過ぎます。

でも何にビックリって、ブロードウェイ作品と違って上演国での結構な演出の変わりようにビックリです。
だからなのか結構お国柄が出ます。 (ミュージカルロミジュリwiki)
 
イタリア版・予告編1分Ver
.
 👈フランス版
フランス版は全体的に神秘的でエレガント、舞台装置も凝っていて見応えアリ
フランス語のソフトな響きも良いですね。フランス語だとすべてがオシャレに聴こえるマジック


あと、ミュージカル版では「死」が実体を以て登場しますが
もう最初の劇中歌”ヴェローナ”から全体を見渡す頭上にいるのです。
ロミオとジュリエットの「死」を予感させるというよりも、「死」が二人を引き合わせたような演出
そしてヴェローナという街自体がすでに「死」に憑りつかれているような
そこかしこに登場する「死」はつねに、会場に張り詰めた緊張感を漂わせます。
演出的にフランス版に近いのはロシア版かな(そしてロシア勢は恐ろしく手足が長い)


対してイタリア
フランス初演2001年から12年後の2013年に物語の舞台でもあるヴェローナから上演が始まります。
 ”Arena di Verona”野外です。
舞台装置は簡素で抽象的な部分が多く、プロジェクションマッピングを多用しています。
イタリア語はローマ字読みで一言一句はっきりしているから、言葉の印象が強い
全体的にダイナミックで迫力満点
そしてイタリア版の特徴として「死」が登場しません。(悪魔っぽいのはいますが)
その為か、ロミオとジュリエットが意思を持って愛を貫いたように描かれています
全身全霊で生きている。まさに激情のままに恋に落ち絶望し「死」を選んだ二人
出会ってから死ぬまで5日間という短さにも説得力が出ています。


悲壮感は控え目で、登場人物が生き生きと舞台上で動いています。
イタリア版の見どころは何と言っても鮮やかで豪華な衣装、アンサンブルのレベルの高さ
に加えて身体能力高い!ダンスもすごい!
そして、かなり恋愛表現が強め
フランス版は結構プラトニックで、”ひばりの歌声”もかなりソフトな感じなのに・・・


でも、これをイタリア人がやると絵になるというか全然卑猥じゃないんですよね
不思議
 
イタリア版・予告ロングVer.


2013年イタリア版初演のロミオとジュリエット(イタリア語だとロメオとジュリエッタ)
 フレッシュな二人
ロメオ役のダヴィデ・メルリーニは1992年生まれヴェネト州・マロスティカ出身
初演時は21歳
彼は「Xファクター」というオーディション番組に出演し歌手デビュー
その翌年にロメオ役に大抜擢とサクセスストーリーを地で行く青年です。
サラサラヘアに愛くるしいルックスで、爽やかでまっすぐなロメオを堂々と演じています。
このイタリア版「ロミオ&ジュリエット」は2013年の公演前にかなり大々的にプロモーション活動をしていたのですが(なので結構いろんなプロモ動画があります。)

 
ジュリエッタ役のジュリア・ルーツィ(Giulia Luzi)は初演時は19歳、アブルッツォ州・ローマ出身
10代とは思えない歌唱力と確かな演技力、貫禄すら感じます。
彼女は10歳の時にディズニーのミュージカルに出演と子役としての芸歴が長く
2013年にジュリエッタ役に抜擢
歌手デビューは遅く2015年から
フランス版のふわっとした世間知らずで可憐で乙女なジュリエットと違い
芯のしっかりとした、情熱的でやや気の強いジュリエッタを演じています。
 
彼女は13年~16年までロミジュリに参加しています。
 
貴重な舞台稽古風景
 


 因みに2015年の3月からロメオ役が変わりまして
ダヴィデ君からフェデリコ・マリニェッティ君(Federico Marignetti)にバトンタッチ
彼はジュリアと同じローマ出身、当時26歳でバンドをやっています。 
ロミジュリ以前には「春の目覚め」イタリア版にも出演したり、映画にも出ているようです。
ダヴィデロメオと違い、繊細でちょっと大人なロメオを演じています。
 彼の歌声も良いです。
 
動画は”Mio Dio pietà”、フランス再演版から追加された”On prie”です。

ジュリエッタの横で死に絶えるフェデリコロメオが滅茶苦茶セクシーでした。
ジュリアジュリエッタの演技もさらにレベルアップしています。

と、ここまで主演ふたりをメインに書きましたが
実はヴェローナ公が結構好きだったりします。唄もオペラ聴いているみたいにすごい迫力
ロメオの友人メルクツィオ(マキューシオ)の高音も神経質さが出ていてGOOD
でも何故彼が死ぬ直前に「友よ!」と言ってロメオにキスするのかが不明(演出家の嗜好?)
テバルド(ティボルト)の声量と演技も圧巻です。

今回のブログを書くにあたってちょこちょこ調べていたところ
「ロミオ&ジュリエット」は若い二人の愛と敵対する二つの家のお話というだけでなく
世代間の相容れない深い溝みたいなものも描かれているようです。
そう言われて観てみれば確かに、特にイタリア版は「死」に気を取られることなく登場人物に集中していられるので分かりやすいかもしれません。
「ロミオ&ジュリエット」
深いな。
観れば見るほど面白い作品です。
そして歌も聴けば聞くほど好きになっていきます。

IO NON HO PAURA ~僕は怖くない~

『 IO NON HO PAURA ~僕は怖くない~ 』

2003年にイタリアで公開された映画 (日本では2004年単館にて公開)
2001年にイタリアの文学賞を受賞したニコロ・アンマニーティの同名小説の映画化で
ヨーロッパでヒットしました。
さらにイタリアのアカデミー賞に当たるドナテッロ賞の最優秀撮影賞を受賞。
監督は「エーゲ海の天使」のオスカー監督です。


内容はそうですねぇ・・・
私のなかではイタリア版「スタンド・バイ・ミー」です。
70年代のイタリアの田舎の原風景
美しい景色やそこでつつましく暮らす人々が描かれています。
しかし、実際のイタリアは混迷時代
作品の設定である1978年は、モロ首相誘拐暗殺事件が起きた年としてイタリア全体に暗い影を落としている
この映画もまた、光の後ろに出来る重くて暗い影を映し出しています。


目を見張る美しい風景
ヴィヴァルディやプッチーニの美しい音楽が終始心地よさとほんの少しの希望と安らぎを与えてくれます。
しかし、一曲だけ異色な音楽が採用されています。


1972年にヒットしたイタリアンポップス「パローレ・パローレ」
日本でもヒットしてますが、オリジナルがヒットしたのかは不明
カヴァーされたり、CM、テレビ番組で良く使われています。
ミーナ&アルベルト・ルーポによるデュエット”Parole Parole”
Mina&Alberto Lupo - "Parole Parole"


フランスのダリダ&アランドロンのデュエットも有名かもしれません。
映画「恋するシャンソン」で使われました。
フランス語ver.
なんかすごく印象に残る曲ですよね。


「僕は怖くない」を観た時、一番耳に残りました。多分、この曲が流れたシーンがとってもインパクトがあったからというのもありますが、

因みにこの映画の主人公は1200人の中からオーディションで選ばれました。
ジョゼッペ・クリスティアーノ君、当時12歳
なかなかのイケメンです。現在は28歳
  ワイルド~
2013年までの活動記録は残っているのですが、それ以降は私にはわかりません。
この、少年から大人になる、ならないのギリギリを行ったり来たりしている感じが
映画の中の、彼の純粋さをより際立たせているように見えます。


とにかく映像と音楽が素晴らしいので
この映画を観るときは、大画面で音響の良いスピーカーをお勧めします。



Alvaro Soler ~アルヴァロ・ソレール~

今日はイタリアでも人気のスペイン人シンガーソングライターを紹介したいと思います
アルヴァロ・ソレール君(Alvaro Soler) 27歳
スペイン・バルセロナ出身、ドイツ人の父とベルギー&スペイン人の母を持ち
しかもなんと
彼は父親の仕事の都合で10~17歳まで東京で暮らしています。
(学校はドイツ人学校だそうなので、たぶん横浜のドイツ人学校なはず)


私は彼の楽曲がその内
イタリアの名曲「Vorale」の様に
ビールとか夏の商戦CMに起用されるのではないかと勝手に期待しております。

セカンドシングル「Sofia」~ソフィア~
振られてしまった彼女「ソフィア」に対して未練たらたら
ソフィアの今彼に嫉妬しつつも、「もう俺平気だもんね~」と強がる男をどこかポジティブに歌い上げています。
2016年春に発表したところヨーロッパ中で大ヒットし
その年の夏はどこへ行ってもこの曲が流れていたとか
スペインはもちろん、ベルギー、イタリア、スイスでプラチナディスクを獲得しています。


 愛嬌のある長身イケメン君アルバロ
イタリアのwiki検索によると、
彼は日本にいる時、カラオケにハマり
17歳でバルセロナへ戻り大学へ進学、その間に兄弟を含む3人でバンドを作り音楽活動を始め
2015年にバルセロナ大学で工学とデザインを勉強した後
ドイツ・ベルリンに移住しソロ活動を始めます。
そしてファーストシングル「El Mismo Sol」(おなじ太陽の下)を発表すると
これがいきなりヒット!
ベルギーとポーランドでゴールドディスク
イタリアとスペインでプラチナディスクに輝いています。


翌2016年の「ソフィア」も大ヒットして
イギリス発のオーディション番組のイタリア版「Xファクター」に出演したり(審査員?)
その人気ぶりをジェニファー・ロペスに見初められ
ファーストシングルの「El Mismo Sol」をコラボレーション
スペイン語と英語の2ver.を発表しました。

アルバロ君は2015年から年2曲ずつ、春から夏にかけて発表していて
これが夏のダンスミュージックとしてヒットしている要因の一つかもしれないですね。
それから、イタリア最大の音楽祭「サンレモフェスティバル2017」に参加したり
イタリアツアーも行っています。


2017年の6月に発表した「Yo Contigo Tu Conmigo」(The Gong Gong Song)
これは日本でも人気の劇場アニメ
最新作「怪盗グルーのミニオン大脱走」(Despicable Me 3)の主題歌になったようです。(ヨーロッパ限定?)
コロンビア出身のフォークグループ「Morat -モラット-」と共同制作しています。

この曲好きだな~
「私と一緒に、あなたと一緒に」みたいな意味かな
やはりこの曲もイタリアでプラチナディスク。
どうでも良いけどアルバロ君スタイル良すぎ、モデル並み


こうやって書くと、やっぱりイタリアでの受けが良い様で
そう言えばこんなものもありました。
Alvaro Soler , Michele bravi e Claire Audrin "Sofia"

このサムネの若手女性歌手ClaireAudrinクレアさん発案で
アルバロのSofiaを楽器を使わずに作った動画
先ほどのオーディション番組「Xファクター」で優勝したイタリア人男性歌手
Michele Braviミケーレ・ブラーヴィ君(当時22歳)を誘い
さらには当人のアルバロまで誘い(快くOK)
こんな素敵なSofiaを2晩寝ずに3日間で作り上げてくれたのでした。


そう言えば、アルバロ君は思春期の約7年間を日本で過ごしたのだから
さぞや日本語を話せるのでは?と思ってちょっと探してみたのですが
確かに発音はきれい。


いつか日本へ来て欲しいですね。








2018年9月29日土曜日

” L'esercito del selfie” セルフィー軍隊

2016年の夏にイタリアで大ヒットした曲
Takagi & Ketra ” L'esercito del selfie”
 ft. Lorenzo Fragola, Arisa  
タカギ&ケトラ『レセルチート・デル・セルフィ』
フィーチャリング.ロレンツォ・フラーゴラ、アリーザ

タイトルの”L'esercito del selfie”の意味は『セルフィー軍隊』


「セルフィー」とはインターネットスラングで「自撮り」の事だそうです。
スマホ持ってないと分かんないね。
でも、このタイトルの意味を知るとMVもより楽しめるでしょう。


唄っているのはこの二人
男性歌手はロレンツォ・フラーゴラ
彼はオーディション番組イタリア版「Xファクター」を経て2014年デビューしました。
翌2015年にはMTVイタリアやMTVヨーロッパなどで賞を獲得しています。
女性歌手はアリーザ
歌手であり、女優・声優もこなし
コミカルからシリアスまで幅広い表現力に定評があります。
 が、しかし!
MVで唄う男性がロレンツォではないのです!
調べてみると
 FRANCESCO MANDELLI
フランチェスコ・マンデッリという俳優さんでした。
多分MVのテーマにはロレンツォが若すぎて(現在23歳)フランチェスコが代わりに出演
口パクしているのでしょう。
でもいい味出してる。
その代わりにロレンツォはカメラマンに扮して、二人に振りの指示を出しまくります。




Takagi & Ketra(タカギ&ケトラ) はAlessandro Merli(アレッサンドロ・メルリ)とFabio Clementi(ファビオ・クレメンティ)の二人組でDJ・ラッパー、そしてプロデューサーでもあります。
MVの最後に出て来る清掃員二人は彼らなんでしょうね。
 どっちがどっちなんでしょうか?

~サビ部分意訳~
♪私たちはセルフィーの軍隊です。
誰かがiPhoneで日焼けしている

しかし、我々はもはやアドレスを持っていない
他の投稿と同じように

 しかし、私はあなたが恋しい、私はあなたが恋しい、
肉と血の中にあなたが足りていない
リストの中にあなたが足りていない(あなたが恋しい)
私が持っていないもの
私は持っていないもの
持っていないもの

う~ん、難しい!
ロレンツォソロ部分は私の低い語学力では無理なので断念しました。
この曲も今のスマホやSNSをちょっと皮肉っているのかな?

そもそもこの曲がレトロな曲調にしている理由。
それは多分(多分ですよ)
1964年に女優カシャリーネ・スパークが唄ってヒットした
”L'esercito del surf” レセルチート・デル・サーフ
「サーフィン軍隊」
をモチーフにしているからでしょう。

♪私たちは若い とても若い
 私たちはサーフィン軍隊~


当時サーフィンが流行っていたのか
西海岸でサーフィンしているアメリカ人に憧れがあったのか(適当な想像です。)
とにかくパーリーピーポーでアゲアゲな曲です。
それを今のスマホ時代に重ねたのか?


それでですね、やっと本題
この曲”セルフィー軍隊”のコレオヴァージョンがありまして
バックダンサーのみの振付を観ることが出来ます。

印象的で
難しいような、一緒に踊りたくなるような
実際、イタリアも日本同様「踊ってみた」動画がいっぱい出て来ました。


 こんな感じのとか
それでですね、
はい、もうお分かりですよね?
そう
三浦大知チームにもやって欲しいなぁ~!!


シッキンとか合いそうじゃない?
 s**t kingz(シットキングス
完コピして動画で上げてくれないかな~
こういうレトロ似合いそうだし
コミカル得意だし、スーツが様になって上品さがあってキレキレに踊ってさ
もちろんセンターで三浦さんには唄って頂きましょう!
女性は誰が良いかな~?